Sunday, April 03, 2005

Books: The Big Nowhere by James Ellroy

ネタバレ:まだ読んでない人は見ないでね、思いつくがまま適当な感想。

The Big Nowhere/James Ellroy The Big Nowhere/James Ellroy
ジェイムズ・エルロイ/著『ビッグ・ノーウェア』上下巻(1998)文春文庫

ダニーは『キラー・オン・ザ・ロード 』のマーティンのようだ、覗き屋で○モ。でも、途中で死んでしまうなんて悲しい。趣味がどうであれ、この小説の中ではヒーローだったもの。信じられなくて、何度も読み返してしまった。

コンシディーンまで死んでしまって、あぁ救いが無い。でも、彼は救われたのかな。救いの無い先の人生から。
彼はどうしても息子ステファンを救いたかった。しかし、救いようが無い事を悟ってしまった。そして、犯人のコールマンより前に彼を狂わせた父親であるロフティスを撃つ。
でも、私はコールマンにひどい扱いをしたラックスの方を憎んだ。一時はラックスが犯人かと思っていた。

ミークスはあまり好きではない。好きではないが、この小説のヒーローは彼。人情(日本のようにお涙頂戴では無い)に突き動かされた下巻・第三部以降のミークスは素晴らしい。
「ダニエル・トマス~○モ。」(下巻P253)と言い切ってしまう男、只乗り野郎バズ、人生そのものがギャンブル。そしてオードリーへの対応から、男の考える事を再認識させてくれた、DNAに刻み込まれたサガというヤツですかね。

とにかくステファンよ、強く生きてくれ!
警官になったステファンの小説書いてくれないかな、そうすれば安心できる。いや、エルロイじゃそううまく事が運ぶわけないか。

暗いし、現実がこんなに怖ろしかったらイヤだなぁと思わせる彼の小説。アメリカじゃ普通なのか、この時代は当たり前だったのか、私にはよく分からない。
あまりの緻密さに「たかが小説、入れ込んじゃダメ」と自分に言い聞かせながら読まないと苦しい。
でも私の頭じゃとても想像もつかない世界、平凡な毎日を過ごす私をまた別世界に連れてってね、エルロイ。

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